立体化したキャラというと、個人的にはご当地キャラなどを思い浮かべるのですが、もしかしたら「コスプレ」を思い浮かべる人もいるかも知れません。
地域PRなどをするご当地キャラやローカルヒーロー(LH)のことを「コスプレの延長」などと言う人がいます。ここでは、ご当地キャラやLHとコスプレの違いを考えてみようと思います。
コスプレとは、「コスチュームプレイ」という和製英語の略で、主にアニメや漫画、ゲームなどのキャラクターに仮装することです。今では海外でも通じる日本語の一つになっています。
コスプレをする人たちのことを「コスプレイヤー(レイヤー)」といいます。彼らの衣装は、専門業者に発注するかコスプレ衣装として販売されているもの、もしくは自作だそうです。
レイヤーとしてコスプレをする主な目的は、キャラになりきること、キャラをリスペクトすることであり、多くのレイヤーはその自分の姿を見てもらうためにコスプレイベントに参加しているのだそうです。
対してご当地キャラやLHの多くは、その地域、企業、団体などのPRをするために誕生しました。始めこそイラストのみでPR冊子に載る程度だったかも知れませんが、後に着ぐるみとなり、イベントなどで直接PRをするようになりました。そして現在のゆるキャラ文化へと発展していったのです。
コスプレは「元々あるキャラ、もしくはそれをイメージした仮装」、ご当地キャラやLHは「基本的にオリジナルであること」が大きな違いかと思います。
なお、ご当地キャラとしてデビューするには完全オリジナルでなければなりません。著作権などの関係で(タイアップ的なものがあれば別ですが)、既存のデザインをそのまま使用したり、既存のキャラと誤解されるようなデザインにはできないのです。
もちろん、コスプレも著作権などが絡むところではありますが、作品の宣伝にもなるし、個人で楽しむだけであればと、好意的に捉えられているか、黙認されています。
ここまでで一つ疑問が出てきてしまいました。コスプレには「オリジナルキャラのコスプレ」というのもあるので、大きくくくるとご当地キャラやLHもコスプレなのかも知れないということです。
そう言われてしまうと身も蓋もないのですが、確かにおっしゃるどおりという気はします。ただ、製作過程や目的を考えると、やっぱり違うと思います。
個人的には、「変身願望があって、好きなキャラやなりたいキャラに扮する」のがコスプレで、「地域などのPRや地域活性化のために活動する」のがご当地キャラやLHだと思っているのですが、どうでしょうか。
また、ご当地キャラは「見せる」ことより「PR活動をしてなおかつ楽しませる」ことに重きを置いていると思うので、その点でも違うかなと思っています。
ご当地キャラとレイヤー両方が参加しているイベントも多数あります。両方楽しめるこういうイベントも面白いです。是非参加して両方の楽しみを見つけてみてください。