イベントに行くと分かりますが、キャラの側には必ずといっていいほどスタッフらしき人がいます。その人たちのことを「アテンド」と呼びます。アテンドとは、「世話をする」という意味の英語なのですが、文字通りキャラに付き添ってサポートをしているのです。
アテンドの他にも、グッズを販売する物販ブースで店番をする人、ステージで司会などをする人、写真やビデオ撮影をする人など、キャラによって違いますが、スタッフ数人がお手伝いをしています。
何らかの事情でアテンドを付けなかったり、物販をしないキャラもいますが、スタッフやアテンドがいてくれると何かと助けなってくれます。
アテンドはキャラの側を離れず、一緒に写真を撮りたいという人に写真を撮ってあげたり、キャラ情報の書いてあるチラシなどを配ったり、視界の狭いキャラのためにファンの所在を教えたり、交通整理をして道を確保したりします。
演者は一体どこで見ているか、不思議に思ったことありませんか?デザインや製作過程によりますが、確実に視界が狭くなります。そういうときに頼りになるのがアテンドなのです。
もう一つアテンドの重要な役割として、「とにかくキャラを守る」ということでしょうか。守るとは一体どういうことだと思いますか?
何度もご紹介していますが、キャラを物理的に攻撃する人がとても多いです。殴ったり蹴ったり、着ぐるみを脱がそうとしたり引っ張ったり。
そう言う人たちからキャラを守るのもアテンドの重要な役目です。そういう行為をしそうな人がいたら手を出さないようにさりげなく守ったり、叩いた人をたしなめたり、時にはキャラに成り代わり怒ったりします。
ある演者が、叩いたり蹴ったりした子どもたちを、アテンドは優しくたしなめるのではなく、それはいけないことだと叱るくらいのことをしないとダメだと言っていました。
もしそのせいでトラブルになり、次回イベントに呼ばれなくなったらと心配し、強く言えないというキャラもいるそうです。でもその演者は、キャラを危険にさらすようなイベントなら出ない方がいいとまで言っていました。
もしその子の親がたき付けたと分かったら、キャラである以前に人として、その親も一緒に叱るとその演者は話してくれました。視界も動きも制限されているキャラにとって、アテンドは自分を守ってくれる唯一の存在といってもいいのです。
そういうことを理解して、アテンドの代わりにキャラを守ったりするファンもいますが、あくまでもお客の立場なので限度がありますし、それはアテンドの仕事なのです。
アテンドはただ側にいればいいというものではありません。意外と大変な仕事なのです。最近は優しくたしなめるアテンドが多いように感じますが、キャラにしてみれば、そうあるべきではないのかも知れません。
そんなアテンドも、運営スタッフも、ほとんどがボランティアだそうです。自分の自由な時間を、イベントのために費やしてくれる頼もしいスタッフたち、好きじゃなければやっていられませんね。